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シニアマーケティング

近未来予測
もし、近未来を予測することができるとしたら、あなたはどうしますか。人間は、未来に対して漠然とした怖れを抱いています。自分の将来はどうなるのだろう、日本の将来はどうなるのだろう。考えればつきないほど、さまざまな不安が浮かび上がってきます。でも、近未来を予測することができれば、このような不安を事前に解消することができます。事業における近未来を予測する手がかりのひとつが、年代別の人口ピラミッド(推計人口)です。
※推計人口(すいけいじんこう)は、国勢調査を基礎として、毎月の出生・死亡・転入・転出を加減して算出された推計値をもととした人口数である。
2050
上記は、2050年における推計人口の予測です。予想や予測というものは、当たらないものが多いですが、人口予測ほど確かなものはありません。1950年に国連が発表した2000年の世界人口予測の誤差率はわずか3.5%でした。

事業を展開する上で最も確実なことは何でしょう。それは、お客様が多い場所で商売をすること。そして、これから人口が増える成長市場でビジネスをすることです。人口構造の変化は、いかなる製品が誰によってどれだけ購入されるかに対し大きな影響を与え、世界各国の経済規模などをかなり正確に見通すことができます。

2030年には65歳以上が総人口の3割を占め、その比率は人口減少が劇的に改善されなければ長期的に続く見通しと言われています。構成比3割というのは、マーケットの主流となり新たなスタンダードを生み出す力をもっています。このように、人口の問題は事業において最も重要な予測因子になると言えるでしょう。


人口推計は嘘をつかない。
経済を動かしているのは「景気の波」ではなく「人口の波」

それでは推計人口に基づき、すでに進行している人口減少社会について少し触れていきます。人口減少社会において2050年には日本の総人口は約3,300万人減少します。その中で唯一人口が増えていくのが高齢人口(65歳以上)です。ここには大きな市場規模が見込まれ、そのヴォリュームゾーンに合わせて事業のカタチをシフトしていく企業も増えてきました。このままいくと2050年以降には高齢者の人口は国民の約4割になると言われています。

人口減少
つまり、経済を動かしているのは、あきらかに「景気の波」ではなく「人口の波」であり、生産年齢人口の増減が大きく影響していきます。下記は、人口減少やシニア市場をテーマにした掲載メディアの一部ですが、これを見ても時代が大きく変化していることがよく理解できると思います。
メディア
では、「人口減少」「超高齢化社会」に突入するといったい何がおきるのか。身近な生活にフォーカスして見ていきましょう。まず、税金の負担能力が小さい高齢者が急増すると、国の財政に余裕がなくなります。そうなると、私たちの日常生活の中でゴミ処理にさえ手が回らなくなったり、修理できない道路や橋などさえも出てきます。結果、増税に行き着き、年金の支給給付も削減されてしまうということも想定されます。

同様に水道事業の2040年問題というものがあります。水道事業の費用は、水道料金でまかなっていますが、2040年には、需要が現在の半分になると予測。それによって、配水管の補修費用が捻出できないという事態が想定されています。

また、人口が減少することで電車がなくなるかもしれないという問題も浮き上がっています。2年前に、関西、四国、中国の鉄道会社が相次いで赤字を報告しました。その原因は、学生が減って定期券収入が落ち込んだからです。ちなみに京王百貨店が、シニアビジネスに特化している理由は、京王電鉄の定期券収入が減るという危機感からだったと言われています。

また、少子化が進むと子供の数が減り、公立小中学校の統廃合が進みます。この5年ほどの間で、全国で約1,000以上の小中学校が閉校しています。教育機関が子供が減ることに頭を悩ます一方、医療関係者は、高齢者が増えることに不安を抱いています。なぜならば、看護職員の人材不足が深刻化しているからです。厚生労働省のまとめでは、2011年度の看護職員の数は、約5万人の不足。2025年には、約20万人が不足する可能性もあるということ。このままいくと職員減少で、統合を余儀なくされる病院もあらわれ規模の小さな自治体からは、病院がなくなってしまう可能性すらあるのです。

このように人口が減るというだけで、生活基盤にさまざまな事態がおき、もちろんビジネスにも多大な影響があらわれることが想定できます。単純に考えて、子供が一人生まれたら生涯で多額なお金を使います。人口が減っていくということは、間違いなく経済は下がっていくということです。

いかがでしょう。日本が初めて経験するこの「人口減少」「超高齢化社会」には、想定外の事態がまだまだ起こり得る可能性を含んでいるということも理解しておく必要があるでしょう。それでは、この変化を乗り越えるためにはどうしたらいいか。私たちには、いったい何ができるでしょう。まず、大前提として大切なことは、

1.従来型の仕組みに依存しないこと。
2.新しい発想を持つこと。

「人口減少」「超高齢化社会」という現象は、これまでに前例がなく世界でも日本が初めて経験する事態です。だから、これまでの仕組みや発想をシフトしていかないととうてい乗り越えられないと考えています。そして大切なのは、このような変化を悲観して「ピンチと捉えるか?」それとも、「チャンスと捉えるか?」で明暗が分かれるということです。この変化をチャンスと捉えると、それによって新しい市場が見えてきます。それが、「シニア市場」です。

 
シニア市場の可能性

株式会社ニッセイ基礎研究所の資料によると、2015年には高齢者人口が約3,300万人になり、家計消費に占める60歳以上の高齢者消費の割合は42%。約72兆円を占める規模にまで拡大する見込みということです。そして今、日本の個人金融保有資産の状況が下記の通りです。

金融資産

いかに40代以下の若い世代が資産を持っていないかということもよく理解できると思います。この状況を把握すると、おそらく従来のマーケティングの方法論も変わっていくでしょう。これまでは、新しいものはまず若者の支持を得てから他の年代に広げるという手順が一般的でした。しかし、これからはシニアがメインターゲットになり大人市場の活性化が想定されます。近い将来、若者の顧客リストだけでは、商売が成り立たなくなる可能性もあります。そこに危機感を持って動いているのが、TSUTAYAです。TSUTAYAのビジネスモデルは、20~30代をターゲットに組み立てられていました。ですが、これから若年人口が減っていくという事実を踏まえ50~70代の会員の比率を上げることに乗り出しています。

それでは、未来を予測した時になぜ、シニア市場を攻略するべきか?ということをマーケティングの観点からまとめておきます。

1.日本は人口減少社会に突入し唯一人口の増加が見込まれているのはシニア層だけだから。
(人口が増える市場は経済が活性化するという考えから)


2.市場規模が大きいから。


3.シニア層は若年層に比べ裕福だから(個人金融資産の60%を保有)。


4.日本の最重要課題として高齢化社会に真剣に向き合う必要性があるから。

これから始まる大介護時代を含め、私たちのビジネスはどのようなソリューションができるでしょう。実際に新しいビジネスをスタートさせるとき、まず考えなければいけないことは、自分が乗り出そうとする分野が成長産業か、伸びる市場かどうかということです。もちろん古い業界に切り込んでいく戦略もありますが、成功する確率はやはり、成長する産業で起業するほうが圧倒的に高いのです。時代の大きな変化の波に乗る。そして、どの市場で勝負するか。これは、究極のマーケティング戦略です。

 
シニア市場が日本では一番の成長分野

それではシニア市場では、どのようなサービスや事業機会が存在するのか。そうした潜在的な市場を新たな産業創出の機会としてどのように捉えていけばいいのか。今後、中長期的に見て国内総需要の減少が予測される中、人口比率が高まる中高年・シニア市場対策は、各企業にとって必須の経営課題とならざるを得ないでしょう。

しかし、視点を変えてみれば日本の高齢化は決して悪いことだけではありません。高齢者をターゲットとした市場は低迷する日本市場の中でも確実に成長していく数少ない分野であり、そのニーズを満たす商品やサービスはまだまだ未発達なのです。では、自社の商品や今の状況を踏まえていったいどうやってシニア市場に参入すればいいのか?

まず、よく考えていただきたいのが、仮にシニアを50歳以上と捉えたとき50歳の人もシニア。60歳の人もシニア。70歳の人もシニア。80歳の人も90歳の人もそれ以上の人もみんなシニアです。同じシニアでも、50歳の人を対象にするのと80歳の人を対象にするのとでは明らかに提供するサービスが変わってくるはずです。シニア市場と一口に言うが、細分化されたたくさんの市場でしかないということをまず理解する必要があります。

その中で、まず攻めるのならどこがいいか。結論としては、団塊世代をおすすめします。団塊世代とは、第1次ベビーブームに生まれた世代。1947年(昭和22年)から1949年(24年)のあいだに生まれた人たちのことを指します。その3年間の人口(出生数)は約806万人にものぼるとされています。団塊世代は日本の人口の中でも全体の8%と最も多くの比率を占め年齢別に見ると最大の勢力です。また、個人金融資産の60%はこの層が保有しており、抜群の購買力を誇ります。

少し前はでは、高齢者の人はインターネットやメールを使えないという固定観念がありました。しかし、今は大企業や官公庁などを定年退職した人達であれば、それらを日常的に使っています。Webを使ったマーケティングのある実験で、シニア向けのサイトでのアクセスが圧倒的に団塊世代が多かったという事例も出ています。このように、Webでのマーケティングに関しても団塊世代の人達は若い世代に比べても遜色のないターゲットであり、アプローチがしやすい世代でもあるのです。

シニアマーケティングに関しての情報は順次コンテンツにてお伝えしていきますがまずは、シニア市場の可能性を感じとっていただければと思います。シニアマーケティングとは、シニア層から商品やサービスが選ばれる仕組みを構築することであり、日本の将来に向けて新しい新しい仕組みを創っていくことでもあります。

<シニアマーケティング おすすめ参考書>
▶ 団塊シニアマーケティング [ ダン・ケネディ/チップ・ケスラー ]
▶ 超ビジュアル版 人口減少逆転ビジネス [ 古田 隆彦 ]
▶ 成功するシニアビジネスの教科書 [ 村田裕之 ]
▶ シニア通販は「こだわりの大人女性」を狙いなさい! [ 高山隆司 ]


世界に先駆けて高齢化が進んでいる日本。そこに新しいビジネスモデルを創り上げることができれば、「日本はもう一度世界をリードできる」。そう言ったのは、あの世界一の経営学者であったピーター・F・ドラッカーでした。高齢化という問題は日本だけのものではなく、いずれは他の先進国も直面する世界的な課題です。日本は世界に先駆けて高齢化社会に対応した新産業・新社会体制にチャレンジすることのできる貴重なフィールドにあり、これにうまく対応した産業や社会システムを構築できれば、世界に向けて新商品・新サービスをいち早く発信することができる大きな可能性を秘めているのです。

<シニアマーケティング関連情報>
総務省統計局
国立社会保障・人口問題研究所
国土交通省 「国土の長期展望」中間とりまとめ 概要
内閣府 平成25年版 高齢社会白書(全体版)<PDF形式>
関東経済産業局 「成長産業育成戦略」骨子(案)
経済産業省 中部経済産業局 新ヘルスケア・サービス産業創出懇談会とりまとめ
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